相続人とは、故人が遺した財産や資産に対する権利を持つ人のことを指します。一般的には、故人の遺産を分ける際にその法的な順序に従って財産や資産を受け継ぐ人を指します。

法定相続人

 民法で定められている相続できる割合のことを法定相続分と言いますが、相続割合を知る前にまず法定相続人(相続できる権利のある人)について解説します。

 相続人の法的な順序は、国や地域によって異なる場合がありますが、日本の場合は、次の通りです。

 なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。

 また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。 

  1. 配偶者:死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
  2. 子ども(第1順位):その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。
  3. 親(第2順位):父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。
  4. 兄弟姉妹(第3順位):その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。
  5. 養子は相続人になります。(相続分は、実子と同等です。)
  6. 隠し子は・・・認知している場合に相続人になります。
  7. 胎児は相続人になります。 
 法定相続分

 民法で定められている相続できる割合のことを法定相続分と言いますが、相続割合を知る前にまず法定相続人(相続できる権利のある人)について解説します。

法定相続人となる可能性のある親族は次のとおりです。被相続人(亡くなった方)との関係性を記載しています。

法定相続分とは、故人の遺産を特定の相続人に対して法律で定められた割合で分けるためのルールです。以下に、日本の法定相続分に関する基本的なルールを示します。

 法定相続分は次のとおりです。

 なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。

 また、民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の持分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。

<配偶者と子供が相続人である場合>

 配偶者2分の1 子供(2人以上のときは全員で)2分の1

<配偶者と直系尊属が相続人である場合>

 配偶者3分の2 直系尊属(2人以上のときは全員で)3分の1

<配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合>

 配偶者4分の3 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)4分の1

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