私は、51歳の時に早期退職をし、社労士・行政書士・CFPとして独立という選択をしました。

 それまでの29年間、思い返すと公務員生活は良かったと退職してから改めて感じていました。

 民間企業のような厳しさのない、苦労知らずのサラリーマン生活でした。

 公務員を辞めたとたん、お金のこと、事業のこと、再就職のことなど、様々な悩みがいっぺんに吹き出てきました。

 そして退職した2週間後平成20年4月に「帯状疱疹」を患ってしまいました。それから約2週間、病院に通い点滴を打ってもらいました。

 

 それでは、定年後又は早期退職後の生活について、経験等を踏まえ一般的な考えを書かせていただきます。

老後に必要なお金は?

 退職後の生活には経済的な安定は欠かせません。

 国税庁の調査によれば、2021年の給与所得者の平均年収は443万円(男545万円、女302万円)です。

 ただし歳を重ねるごとに給与所得者の平均年収は減少し、70歳以上になると男369万円、女210万円です。

 退職後を見据えて現役時代に少しでも貯蓄しておこうと考える方は多いはずです。

 総務省の調査では2021年の2人以上世帯の平均貯蓄額は1880万円、負債の平均現在高は567万円です。

 また、退職後の家計をサポートしてくれる大事な存在として、国民年金や厚生年金保険があります。

 会社を辞める時の退職金も、しっかりカウントしなければなりません。

 つまり、現在の貯蓄、退職金、公的年金などをしっかり把握したうえで、早期退職、定年退職後を考えてください。

 健康である限り働き続けるのか、それとも趣味に旅行にと悠々自適な生活を送るか。

 老後の過ごし方は人それぞれですが、経済的な安定があって初めて生きがいのある生活が可能であると頭の隅に置いてください。

早期退職について

 現在、多くの企業が早期退職者を募っています。

 すぐに次の就職策が見つかればよいのですが、50歳代の再就職の道は決して楽なものではありません。

 今から10年ほど前ですが、私の中学・高校の同級生は56,7歳でちょうど会社の早期退職の勧奨に乗って退職した者が大勢いました。

 退職金の増額や失業給付への上乗助成などの餌に飛びつき、早期退職をしたのです。

 そして退職金があり失業給付も1年ほど貰い、いざ就職しようと思っても1年以上も仕事を休んでいると働けなくなっているのです。

 そして就職せずに60歳を超えてしまう同級生も多くいました。運よく就職先が見つかっても、前職と比べかなり低い賃金や処遇で「辞めたい。」が口癖になっているという状況です。

 退職後の経済状況の見通しが立たないうちは、早期退職は当分取りやめ、定年退職なら継続雇用を申し出れば65歳まで働けるはずです。

 働き続けることが「生きがい」ということもあります。

退職後の働き方

 高齢者の安定した雇用の確保のため、企業は定年制の廃止や引き上げ、継続雇用制度の導入をすることが2013年に義務付けられ、65歳まで働くことができます。

 さらには66歳以上まで働ける制度を導入した企業も多くあります。

 人生100年時代と言われる長い老後について、様々な考え方があります。

 趣味や友人との交流など、その場の幸福感を味わうことで満足できる者。己の存在意義や生きがいを感じなければ満足できないものなど、人それぞれです。

 暇を持て余すのが良いか、やりがいのある仕事で生き生きと働くのが良いか。2択ではありません。その中間に、とりあえず取り組んでいる趣味などがあると考えます。

 結論としては、何歳になっても収入と呼べるお金が貰える仕事があったほうが良いと考えます。

 お金を稼げる仕事があること、金額は少なくてもよいのです。それが最高の老後ではないでしょうか。

 もちろん「夢中になれる趣味」があれば、それも最高の老後ですが、そのような趣味がなければ「お金が貰える仕事」ではないでしょうか。

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